今回は『28年後…』の続編である『28年後… 白骨の神殿』の解説や考察を書いていきたいと思います。
※この記事の内容はあくまで私個人の意見であり公式の見解ではありませんのでご了承ください。
作品紹介
監督:ニア・ダコスタ
制作:ダニー・ボイル
脚本:アレックス・ガーランド
キャスト:アルフィー・ウィリアムズ/レイフ・ファインズ/ジャック・オコンネル/チ・ルイス・パリー/エリン・ケリーマン 他
あらすじ
レイジウイルスのパンデミック発生から28年後…映画『28年後…』のラスト、感染者の襲来により窮地に陥ったスパイクは、カルト集団〈ジミーズ〉に救われる。だがそれは救済ではなく、狂気と絶望に支配された地獄への入り口に過ぎなかった。
https://www.28years-later.jp/
「衣を剥ぐ刑」の意味
今作に登場するカルト集団「ジミーズ」のリーダー、ジミー・クリスタルは慈悲「チャリティー」と称して、罪のない人々の皮を剥ぐ拷問を行います。ジミーはなぜかこの行為を「皮を剝ぐ刑」ではなく「衣を剝ぐ刑」と称していますが、これには理由があると思われます。
前作の『28年後… 』ではイギリスが隔離されてからの28年間の間に、ほとんどのゾンビ達は服がぼろぼろに破けて何も着ていませんでした。続編の『28年後… 白骨の神殿』でも多くのゾンビは服を着ていません。
また今作ではサムソンが人間に戻っていく過程で衣を纏うシーンがあります。つまり服を着ているかどうかの違いで、人間かそうでないかの差を強調していると考えられます。
なので「衣を剝ぐ刑」は、人間を人でないものに変えようとしている行為と捉える事が出来ます。
「衣を剝ぐ刑」を行った理由
またジミーがこの拷問を行った動機についても考えてみたいと思います。
彼はパンデミックが起きた事をきっかけに悪魔崇拝者となり、ゾンビがこの世に現れた原因も悪魔の覇王が怪物をこの世に解き放ったからだと思っています。
なのでジミーが「衣を剝ぐ刑」を行ったのは、覇王の行いを真似するためという理由もあるのでしょう。
また今作ではゾンビが人間に戻ったり、人間が悪魔的な残虐行為を行ったりと、ゾンビと人間の危険度が逆転しています。それから「衣を剥ぐ刑」はサムソンが衣を纏う行動と対になっていると考える事も出来ます。
だからこれらのシーンは人とゾンビ(怪物)の境目が曖昧になっている事も表しているのかもしれません。
サムソンの第一声が「Moon」(月)の理由
ケルソンのおかげでサムソンはだんだん人間に戻っていき、遂には言葉を話せるようになります。その記念すべき彼の第一声は「Moon」(月)です。
サムソンの最初の一言が「Moon」なのは、彼がレイジウイルスに感染した時に月が描かれた本を見ていたからである事が、後に明らかになります。
しかしそもそも何故、製作者は彼の最初のセリフにその言葉を選んだのでしょうか。
結論からいうと、今作のサムソンは狼男をイメージしたキャラクターだからだと思います。そう考える根拠は二つあります。
満月で変身する狼男
一つ目の根拠は狼男が満月を見て変身するからです。
実はこの映画でサムソンに関係あるシーンで登場する月は全て満月です。彼が初めて言葉話す時に眺めているのも、彼が読んでいた本に描いているのも満月です。
これは狼男が満月の夜に変身するという特徴を表した演出だと思われます。
覇王の元ネタはノスフェラトゥ
二つ目の根拠はケルソンが覇王を演じている時の姿が、1922年のドイツ表現主義・サイレント映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』に登場する吸血鬼に似ているからです。
吸血鬼は狼男と並んで有名な西洋の怪物な上に、宿敵同士として同じ作品に登場する事も多い存在です。
ケルソンの見た目がノスフェラトゥに似ているのも、今作のサムソンが狼男をイメージしたキャラクターである事を強調しているからでしょう。

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